些末なこと

何の役にも立ちません

3人組のこと

先日ディズニーランドに行ってアトラクションに並んだとき、前に女子高生3人組がいた。みんな若くて可愛らしかったけれど、ごく一般的なものさしで表現するといわゆる「可愛い子」「普通の子」「そうでもない子」の3人だった。「そうでもない子」は明るくて、おどけたりふざけたりしてふたりを笑わせていて、初めは面白い子だなと思って眺めていたら、そのうち「可愛い子」が「そうでもない子」をいじっているんだとわかった。「可愛い子」のスマホのカメラロールは「そうでもない子」が校内で踊ったりふざけたり変な顔をしたりする動画でびっしり埋まっていて、「次この顔やってよ」「ほらこれ見てみなよ」と「そうでもない子」に見せていた。

「そうでもない子」はへらへらしながら「やめてよー」とあしらっていたけれど、ある瞬間我慢の限界がきたのが傍から見ていても分かった。表情が一変して、「もうやめて」と目をそらし続ける。「普通の子」はどこ吹く風で自分のスマホを見ていて介入しなかった。いつものことなのかもしれない。「可愛い子」は気づいていないのか気づいていて敢えてか執拗に「そうでもない子」をいじり続けた。お互い手が出たりしつつ最終的には笑っておさまった風だったけれど、表面上笑いながら内心傷ついている人が本音を吐露する場面を見てしまった気がした。ひりひりと辛くて、時々見かける光景。「そうでもない子」には次のステージでいい友達ができてほしいなと切に思った。

アトラクションは二人乗りだったのでどういう組み合わせで乗るんだろうと気になっていたら「可愛い子」と「そうでもない子」のペアで、「普通の子」は一人で乗っていた。そう思い返すとだんだん「普通の子」のことも気になってくる。