些末なこと

何の役にも立ちません

M3に出展したこと

2020年M3春に出展しました。年に2回行われている音楽の即売会で、一般参加含めて5回目、出展は3回目。コロナの関係で開催が危ぶまれていたけれど、準備会は多方面へ配慮をしつつM3が今後も存続していけるような細やかな対応をされて、辞退される方や一般参加を控える方もいらっしゃりつつ開催されました。記憶があるうちに雑感など書いてみます。

 

*CDのこと

夜と冬、歌多めくらいしかコンセプトがないままつくりだしました。気にいっていた過去曲も、歌詞を書き足していただいたりしてつくりなおしています。

普段、歌の場合はボイスメモに即興で弾き語りして、それを耳コピしながら再構成して、歌詞を書いて一曲にする、というつくり方をしてます。その原曲をつくる部分が一番好きで、その後は苦行に近い。何でこんなに下手なんだろう、何で理想とかけはなれてるんだろう、技術がない、こんなものを買っていただいていいのか、でもやっぱり好きだし、と悶々としながら作業して、それを数曲並行しているとわけがわからなくなってくる。プロはやっぱり凄い。

楽器を足して、歌入れたりしてなんとなく形になってくるとまたやや楽しくなってきます。仕事の昼休みに聴いたり、車で流したりして、気になるところを書きとめておいて直します。「6曲目のピアノ転んでるよ」「8曲目のあの部分歌えてないよ」とか優しい言葉で自分に語りかけておくと、見返したときにそうか仕方ないなあと思いながら直せます。その後また苦しみながらつくり、出来上がると嬉しくなってたくさん聴きすぎて飽き、発表前には次の曲をつくり始めていて意識はもうそちらに移っている、というのがいつものパターン。一曲を丁寧に仕上げ、粘り強くプロモーションできる方は本当に凄いなと尊敬します……。

 

*ジャケットのこと

曲目も揃わないうちに、よるのしっちさんにジャケットを描いていただきたい!と思いたち、すぐDMして快諾してもらいました。何もかも曖昧かつ適当なわたしは(いつものこと)優柔不断だったり話が前後したり言葉足らずだったりしてご迷惑もかけてしまったのだけれど、本当に丁寧にこちらの好みやイメージを尋ねてくださって、好きな画家さんの絵をたくさん見てもらったり、曲をつくったときのうすぼんやり(いつものこと)したイメージを聞いてもらって作業を進めていただきました。そのやりとりもお互いの深淵をのぞくようでとても楽しかった。誰かと何かをつくるのってなんて楽しくて幸せなんだろうと改めて思いました。わたしのやらかした数々のミスの悩みにも付き合っていただいて……。

結果、本当に素敵な絵と手書きの文字を描いていただいて、これ本当に自分のCDなんだろうかって今も新鮮に嬉しく思っています。深謝。

紙ジャケットは少し値は張るけれど、かさばらないし(同じ枚数でジュエルケースの時の4分の1の段ボールで届いた)持ち運ぶとき割れないし、可愛いし、で選んで良かったです。

 

*入稿のこと

wavデータを受け付けてくれるという理由だけで格安のプレス業者さんにお願いしています。でも、今回歌詞カードを印刷専門の業者さんにお願いしたら、紙も自由に選べたし仕上がりも明らかに違ったので、次もしつくる際は誰かにDDPファイルをつくってもらうなどして別の業者さんにしようかなと思った。

締め切りへの恐怖が強いので、2月上旬には手元に届くよう逆算して期限を決めました。だから時間は十分余裕があったのに、それでも気が急いてしまいデザインデータを勢いで入稿したら案の定ミスがいくつか出て反省しました。そういう関係の仕事をしていたので痛い目見たり諸々経験してきたのに全然活きず。校正する際は「複数の目で」「プリントアウトして」「一字一字追う/全体を俯瞰する」が鉄則だと思います。自戒をこめて。

 

*当日のこと

自分のいた会場から出られなかったけれど、出展者は半分くらいだったような印象。お隣の方もお休みでした。お客さんもいつもの半分くらい。寂しくもあったけれど、歩きやすいし(前回人酔いして大変だった)空気もいいし会った方とゆっくり話せるし、正直過ごしやすかった…。

人が少ない中、たくさんの方に立ち寄っていただいて凄く嬉しかった。ツイッターでフォローいただいている方、もう数年来お世話になっている方のほか、半分以上が初めてお目にかかる方だったのだけど、どうやって知ってくださったのかなかなか聞けず……。件の格安業者さんは枚数の細かい指定ができないので今回も大量にプレスしてしまったのですが、新譜は60枚以上手にしていただけて有難かった。本当にありがとうございました。楽しんでいただけたら何より嬉しいです。

ジャケ買いして下さった方や、ジャケ楽しみにしてましたと言って下さった方もいて、ジャケットは大事だなと改めて感じました。そういえば前回出展した際、1枚目の羊の角のジャケットを「わたし角が好きなんです」という理由でジャケ買いして下さった方がいたそうで、好きなものをジャケットにしておくのもいいのかもしれないと思いました。

そうだ、ツイッターのお知り合いで、アングラ感のある曲をつくられる大好きな方が来て下さって、あなたの歌は癒しじゃなくて奥にどす黒い闇が見える(意訳)と言ってくれたのがやたら嬉しかった!後ろめたくもあるけど消せない闇は自分をつくっているものでもあるので。

終わった後、出展していたお友達と売り子を手伝ってくださった方の3人で飲みに行ったのだけど、これもすごく有意義で……音楽への向き合い方とか、共通の知り合いのこととか、年齢も境遇も違うのに深い話を真面目に話せて本当に楽しかった。お互いのことも自然に素直に褒め合っていて、何て素敵な人たちなんだろうと思った。彼らの考察やいただいたアドバイスはしっかり心に残っています。

 

*通販のこと

今回出られなかった方も多いということで、色々な方の新譜をまとめて通販できるアカウントをBOOTHでとってくださった方がいらっしゃって、お声がけいただきそちらにも参加させていただいています。画期的なアイディアだし思いやりに溢れていて素晴らしい企画だなと感激しました。サイトはこちらです。

https://min-mato-mall.booth.pm/

 

というわけで、楽しいM3でした。未熟なのでつくるの大変だしサブスクもあるのだからCDはもう最後かなと思っていたけれどぐらぐら揺らいでいます。売り子をしてくれた方が、直接CDを対面で買っていただけるのってこんなにも嬉しいことなんだね、自分もM3出たくなりましたとLINEをくれて、本当にそうだなとも。

かかわってくださったすべての方に感謝です。ありがとうございました。