些末なこと

何の役にも立ちません

最近のこと

だいぶ前に電子ケトルが壊れて以来、やかんでお湯を沸かしてお茶を淹れている。電子ケトルは気軽でよかったけれど、やかんで淹れたほうがずっと美味しい。ただ、IHなのでガスの方がもっと美味しいんじゃないかなと何となく思っている。肉とか卵焼きとかは絶対にガスと鉄のフライパンで焼いた方が美味しい。ガス羨ましいなあ。

看護師の妹に時々医学的な質問をすると「わたしもよく分からないけど」「専門外だけど」と前置きする。誰でも簡単に発信できるようになったけれど、分かっている人ほど分かっていない人にマウントを取らないし、当事者ほど迂闊に発言しないと思う。

仕事でよく行く郵便局のお姉さんと顔をあわせるたび少し会話をする。「疲れちゃった、眠いよ」と言いながらお釣りを渡してくれたので「分かります、まだ朝の9時だけどね」と笑ったら「そうそう、まだ9時だけどね。あ、でもわたしもう2時間働いてるんだ」と。そんな勤務形態なのは初耳だった。「そうだったんですね、おつかれさまです」「お互いにね」と笑いながら、色々な人が色々な場所で互い違いに働いているのって心強いなと思った。

土砂降りのなか傘もささずに働く集荷の男性が、荷物を抱えたわたしを笑顔で気遣ってくれた。わたしよりもずっと重い荷物を持っていたのに。ものすごく些細なことだけどとても沁みた。二度と会わないかもしれない人間に、何の見返りもなく親切に接せられるのって、その人にもともと備わった本来の優しさなんだと思う。患者が減って減収するなか感染と隣りあわせで診療している開業医が、前線で対応している医療者に補償を、と訴える声にも胸打たれた。利権が見え隠れする国のキャンペーンとか反吐がでそうなこともたくさんあるけど、人の優しさに救われることも同じくらいある。