些末なこと

何の役にも立ちません

ボタンのこと

しょっちゅう考えていることなのだけど、目の前にボタンがあって、それを押した途端ふっと消えてしまえるとしたら、思わず押してしまう人は多いと思う。わたしも日によってはそう。でも、現実にそんな安易なボタンはない。消えて楽になってしまいたいと思うことと、実際自分を死に至らしめる行為をとり想像しえない痛みや苦しみを伴いながら死にゆくことはものすごく乖離している。この乖離が、たくさんの人をなんとか押しとどめているし、生きるということなんだと思う。

不要不急といえば自分そのものが不要不急だろう。現場でたたかっている方々を尻目に、ぐだぐだするしかない日々。スーパーの空の棚を見て思い出す9年前のこと。知るべきことと、嘘や知らなくていいことや強い言葉。閉じこもって削られる神経。いつの間にかすり減って、年配の知り合いが不意に送ってくれた手紙や、申し込みをキャンセルしてかけてくれた「謝る必要なんてないんですよ」という優しい声にいちいち泣けてしまうくらい弱ったので、少し情報を遮断することにした。そういう人、少なくないと思う。弱いし利己的だなあと思うけれど、自分が潰れては元も子もないから防衛と思うしかない。

早く映画やライブが観たい。人とごはんを食べに行きたい。実際にはなかなか行けなかったりもするのだけれど、行けるという選択肢があることがいかに生活を支えてくれていたか、こうなった今よくわかる。