些末なこと

何の役にも立ちません

花のこと

 

大学で軽音サークルに所属していた頃、もう卒業した先輩がときどき飲み会やライブなどに来ていて、なんで社会人になったおじさんがわざわざ大学生に混じりにくるんだろう、大人げないな、などと生意気なことを思っていた。わたしは20歳くらい、先輩たちは26歳くらいで、今思えば5,6歳の年齢差なんて大したことないのだけれども、あの時感じた違和感は忘れないでいたいなとふと思い出した。つい歳下の人に気安く接してしまうので…。

作家の江國香織さんが昔、絵は画面の隅っこにひっそり佇む花をさりげなく描きこめるけれど、小説でそれをやろうとすると花に焦点が合ってしまうから難しい、という趣旨のことを書いていたのが忘れられない。音楽もそうかもしれないと最近思う。道の片隅で静かに咲く花みたいな曲がつくれるようになりたい。

 

引きこもりつつ、時々は近所の花屋さんで花を買い、文房具屋さんで文房具を、本屋さんで本を、ケーキ屋さんでケーキを買っている。おじいちゃんがひとりで営んでいた自転車屋さんは閉店してしまった。どれだけ大変なのか想像もつかないけれど、愛着のある個人店が生き残ってほしいと願っています。